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『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』を読んで

前説

本記事は 『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』 という本を読み、自分なりの理解を整理して何かしらのアウトプットをすることで記憶に定着させる事を目的にしたものです。


この本を読むきっかけ

いくばくか前にあの 『ABC予想』 がついに解決されたとして巷で話題になっていた。当時自分も少なからず耳に入っていたが、そこまで深く関心は無かった。

それから数カ月後してたまたま好きな Youtuber である QuizKnock さんがこの話題に触れた動画を見て改めて触れてみようと思うきっかけが芽生えた。

【25分で中学生でも分かるabc予想】何に役立つの?ふくらPがよく分かる解説!

また 『Stardy - 河野玄斗の神授業』 という Youtube チャンネルでも同じような解説動画があり、こちらも視聴しました。

数学界の天才が証明したABC予想をわかりやすく解説してみた

そこで 『ABC予想』 に興味を持った自分は一般人でもなるべく分かりやすく解説した著書があると知り、今回この本を読むことになった。 (著書名にもあるように解説するのはあくまで 『ABC予想』 を解くのに重要な 『IUT理論』 についてである)


感想

まず本書を読み終えて自分なりに理解した 『IUT理論』 の結論としては以下3点です。

  • 数学の 舞台(=宇宙)を複数 用意する
  • 異なる数学の舞台間では 対称性通信 を行う
  • 通信によって発生する 歪み・不定性・ノイズ定量的に評価し、不等式を導く

本を読んでいない方は意味不明だとは思いますが、自分も正直さっぱり分かっておりません。 ただ 『IUT理論』 の基本的な考えはこれらだと自分の頭では理解しています。

1つずつの内容を覚えている範囲で掘り下げていきます。 (以下は自分の感想と本書に載っている内容が入り乱れて書かれております)

数学の 舞台(=宇宙)を複数 用意する

まず筆者は数学の足し算とかけ算には切っても切れない関係(=正則構造)にあると述べています。 そこで1つの数学の舞台ではその関係性を用いた問題?(ABC予想は少なくとも足し算とかけざんの問題)を解くことは非常に困難であるとし、数学できる舞台を複数用意して考えることが必要だとありました。

ここで最初自分は 複数の舞台 = 等式の右辺と左辺(イコールで分け隔てたもの) のものなのかなーと思っていましたが、その考えではありませんでした。 また複数の舞台を設けてどうやって問題を解いていくんだ?と思うかもしれませんが、自分もまだハッキリと分かっていない状態です。。。

異なる数学の舞台間では 対称性通信 を行う

まず 対称性通信 の前にどうして通信をするのかと言うと、舞台(=宇宙)が分かれているものの、扱っているモノ自体は 同じで同じではない数学の問題 なのです(この辺りから自分でも何を言っているか分かりませんが、本書でもそういうニュアンスだったと思います...) そのためにお互いが自分の情報を相手に伝えることで(双方向なイメージでは無かったのですが...)導き出したい答えに近づけていく(=復元していく)というアプローチです。

ここで 対称性通信 としているのは モノの「状態」を伝えるのではなく、操作を伝える事が重要で、それを『群』として相手に伝えることが肝とありました。それはどうしてかというと、『群』を通信することで異なる舞台での復元が可能になるからです。 (通信する群は様々な特徴を持っていたり、より複雑な構造をした 遠アーベル幾何学? であればあるほど復元の正確度が高いとの事です。恐らくこれは複雑であればあるほどそれを満たすモノが一意に決まるからではないかと自分は思っております)

ところで、群論?については名前自体は聞いたことも有り知らずに使っていた学問でしたが、改めて初めて知ったような感覚でした。

通信によって発生する 歪み・不定性・ノイズ定量的に評価し、不等式を導く

最後にこの内容は1番理解が難しかったです。この一文自体はなんとなく「まぁ、異なる舞台間で通信してたらそういう歪みとか考慮しないといけないよな」と思い納得はしていたのですが、その方法の説明は正直本を1周しただけでは本当によく分かりませんでした。 (今書きながらも何も自分の頭に残っておらず2周目を読み直しています)

2周目でも本当によく分からないので、理解した事だけを述べると、

  • 対称性通信には歪みや不定性がつきものでしょうがないということ
  • その歪みや不定性を最小限にすることが重要でそれを可能にしているのが テータ関数

テータ関数についてはあまり詳しく述べられていませんでしたが、自分なりの解釈をするならば「そのまま通信しても復元の正確性は低いが、テータ関数を通して対称性通信をすることで復元の正確性が高い事が実現できる」というイメージです。復元の正確性を高めるための道具がテータ関数です

また読み直していると、歪みや不定性をどのようにして計算・評価しているのかは具体的に述べられていないような気がしました。本書では以下のような感じで書かれています


 N log(q_A) \fallingdotseq log(q_A) \\
上記の式を「IUT理論では次のような形の不等式が得られます」と書かれている \\
N log(q_A) < log(q_A) + c \\

おそらく から < に変換出来たことが歪みや不定性を計算・評価できたという自分の中での解釈です。(どうしてそうなるかは特に述べられていないはず)


さいごに

以上を持ってこの記事は終わりにしたいと思います。 もしかすると読者の中には 「『ABC予想』について全然触れていないのでは?」と思う方もいるかと思いますが、これはこの本書自体がそうであり、『ABC予想』を解くことが重要ではなく、『IUT理論』という新しい数学の考え方を知ることがより重要であると述べられていたからです。